suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#63 「4時02分の銃声」

原題:Butterfly in Shades of Grey(直訳:灰色の色合いの蝶)

日本語版:1998年 NTV

 

★今回のタイトルについて
ほかのエピソードでも大半が英語の原題と邦題がかけ離れている。基本的には原題の方がエレガントのような気がするが、それを直訳されても日本人には理解できないことも多く、謎過ぎるので、敢えて分かりやすい邦題を付けているのだろう。今回の原題も難易度が高く、ネットで調べてみても慣用句やどこかからの引用でも無さそうで、困ったものである。政治家のゴシップ系のスラングか、微妙な親子関係を顕す言葉なのか、はたまたそれ以外か。
一方、邦題についてだが、どう見ても第31話『5時30分の目撃者』と同じフォーマットで、分かりやすいのは確かである。ただし、なぜ『4時2分の~』とせずわざわざ”02分”としたのかは謎である。

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【今回の小ネタ】
 

☆今回登場する車
今回の犯人およびその娘の乗っている車は、金持ちが乗る超定番のメルセデスベンツBMWである(そろそろ飽きてきたので型式は明記しない)。被害者の車は冒頭にチラッと登場するだけで、逆に車種は判然としないが「JEEP CHEROKEE(XJ)」であろう。あと、最後の方に登場する犯人の娘を迎えに来る車は「LINCOLN TOWNCAR」。TOWNCARというネーミングから廉価版かと思えるが、その逆でトップグレードらしい。たしかにいかにも高級車のいで立ちではある。

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このリンカーンの出発シーンで、トランクに荷物を積み込んだ後、良く見るとしっかりと閉まっていないことが分かる。これは演技ミスか、と思ったら、その直後のシーンで微妙に隙間が狭くなっているのである。この時代にすでにイージークローザーが付いていたのであろうか。閉まりきるまでは映ってないので何とも言えず、単なる偶然なのかも知れない。

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☆ラジオ放送局の構造が楽しい
犯人はラジオのパーソナリティもしているらしく、ラジオ局での放送シーンが何度か登場するが、その部屋の構造やコンソールなどの機器が確認できて面白い。部屋の構造の単純ではなく、スタッフルームがディレクター用とリクエスト受付用の2つに分かれていたりする。

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同じように、ラジオ局が登場する古畑任三郎の『さよなら、DJ』を見ると、単純にマイクのある[ON AIR]の部屋と放送機器のあるスタッフルームに分かれているだけなので、その対比が面白い。古畑の方ではリクエストも葉書であり、お国柄や番組のコンセプト違いというのもあるが、対照的ではある。

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☆あの頃の電気製品、電子機器
当時のコロンボの世界でも留守番電話や携帯電話のデザインは日に日に進化しているようである。ただ、テレビはまだまだブラウン管の時代で、金持ちはその中でも大きいものを買う傾向にあり、今回は当時のテレビとしては最大級と思われる。専用の台を合わせると、横に立っているコロンボの胸の高さあたりまである。ピーターフォークの身長は公称168㎝。そうするとTVの高さは120㎝程度となり、目測でブラウン管の縦サイズは60㎝ほどになりそう。下図の表によると、ブラウンの大きさの表示で言えば40インチに相当しそうだ。今の液晶TVなら特に大きいサイズには思えないが、ブラウン管テレビではまさに最大級であった。

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ちなみに、ネットを検索してみると、37インチの記事があったが、重さも90㎏を超え二人でも持ち運べないらしい。

☆シリーズ最大級の自宅を持ち雑誌の表紙も飾った犯人
基本的に犯人は富豪で、自宅もお屋敷と呼べるほど豪華で大きい。今回の犯人も例にもれずバカでかいが、何と言っても敷地内に専用のケーブルカーがある点が、これまでとは違う。何しろ、TV電波も携帯電波も届かないという山の中なので、高低差があるのはしょうがないとは思うが、スポーツジム施設を作るぐらいなら、階段にして昇降するほうが、よほど運動になっていいのではないかと、突っ込みたくもなったが、やはり金持ちは金を使うのも使命だと思っているのだろうか(単なる見栄かもだが)。

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ちなみに、今回の豪邸はかつてLinda Thompsonが所有していたらしい。

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☆カーク船長、いや、ウィリアム・シャトナー再登場
旧シリーズの『ルーサン警部の犯罪』で犯人役で登場したウィリアム・シャトナーが、今回も登場した。前回は意外にショボい俳優役だったが、今回はかなり立派で前述の如く最大級のお屋敷にも住んでいる。実際、シャトナー自身、歳を重ねて恰幅も良くなっている。そして嬉しいことに、声がカーク船長と同じ矢島正明氏だったのだ。前回は、山城新伍氏だったので、スタートレックファンとしては違和感があったが、今回はイメージ通りであった。やはり、声は大事である。

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と、エンドクレジットに二又一成さんの名前を発見してしまった。有名な声優で、代表的な役としては、『めぞん一刻』の五代や『うる星やつら』のチビなどが、自分の中での記憶として残っている。(他にも無意識にたくさん聞いているはずだが)

 

以上。