suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

森村誠一氏を偲ぶ

2023年7月24日にミステリー作家の森村誠一氏が亡くなりました。享年90。

中日新聞デジタル版より

氏の作品に出合ったのは、ほぼ半世紀前の高校生の時、学校の近くの本屋でなにげに手にした『高層の死角』という文庫本でした。背表紙にはタイトルや作者名以外に”乱歩賞受賞”と印刷されており、当時、江戸川乱歩の作品も読んでいたので、そのつながりで興味を持ちました。

その作品を読んだことがきっかけで”本格ミステリー”の世界の面白さを知った私は、氏の作品を手当たり次第に読みました。時には徹夜してまで。

結局、氏の作品は社会人になってからも増え続け、自室の本棚の大部分を占めるまでになりました。もちろん他の作家の作品も買ってはいましたが、森村氏の文庫本は相当数に及んだのです。本棚に並べると主に角川文庫の青表紙が目立っていたせいもあり、本屋でも自然に青い色を探してしまう毎日でした。

森村誠一氏の文庫本の蔵書

森村氏は作家活動を開始した当初はホテルや山岳をテーマにしたミステリーが中心でしたが、やがて人間性や社会問題も扱うようになり、幅広い分野で作品を提供してくれました。後年には時代小説なども書かれていましたが、私自身は分野的に好みではなかったので、氏のすべての作品を読破するまでにはいきませんでした。

私の読書歴に影響を与えた本の一部 (断捨離対象外)

残念ながら断捨離の一環で去年に氏の作品の蔵書を手放してしまいましたが、手元には『高層の死角』だけは保存しています。ただ、紙の書籍は全体的に字が小さいので、機会を見て『高層の死角』を始めとする“もう1度読みたい作品”に関して再度電子ブック版を購入し、フォントサイズを大きくして読み直してみたいと思っています。

森村誠一さん、安らかにお眠りください。