suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#17「二つの顔」

原題:Double Shock(直訳:二重の衝撃/ダブルショック)

日本語版:1974年 NHK総合

 
【今回の小ネタ】
 
コロンボとお手伝いさんの絡みが面白い
もちろん犯人追及のストーリーがメインではあるが、しっかり者で”カワイイ”お手伝いさん(家政婦)とずぼらなコロンボとの絡みが面白い。特に、コロンボの数々の失態が、徐々に家政婦の感情を高ぶらせていく流れは、夫婦漫才を見ているようだ。中でも、ガラス製の水差しを落として割ったコロンボは、責められるべきだと思う。ただ、テレビのつまみは、元々取れるように出来ているので、修理は不要である。

f:id:suna8com:20200724131717j:plain

 
☆今回は複数の小道具がキーアイテム
 いつも以上に小道具がキーアイテムとなって活躍していた。

❶まずは料理に使う道具類に着目
冒頭に登場し、凶器としても使われるハンドミキサー。興味深いのは、基本デザインが今もほとんど変わっていない点だ。あと、料理ショーに登場する台所用品は、いかにもなレトロ・アメリカン。 

f:id:suna8com:20200724153107j:plain

❷謎なスイーツ
大きな意味では物語中に出てくる食品類や料理も小道具と言えるが、今回登場したお菓子と思われる食べ物は謎だ。セリフも早口で名称が聞き取れない。

f:id:suna8com:20200724153346j:plain

❸レトロな警報装置も活躍
どういう仕組みかは詳しくは分からないが、基本的にはアナログ方式だと思われる。「WOLF SECURITY SYSTEMS」が日本人に理解できるように”警報装置”と訳されていたが、警備会社の名称だろうと思われる。

f:id:suna8com:20200724131601j:plain

❹意外に活躍したブラウン管テレビ
もう見ることのないアナログ放送対応のブラウン管式テレビ。なんとON/OFFリモコンが付いている最新型(当時)。さすがにチャンネルや音量の変更など、他の操作は一切出来ないが。当初のリモコンは特殊な音で反応するタイプだったはずで、今の赤外線方式とはまったく異なる。また、テレビ自体もチャンネル変更がダイヤル式でVHFとUHFの2つあった。さらに画質などを調整するつまみが複数あり、昔は知ったかぶりのオヤジ理系の人が色々触っていたと思う。水平/垂直同期、輝度、彩度、色相、など、今のテレビでは見かけない機能が満載だった。
f:id:suna8com:20200724131618j:plain

☆双子の兄弟が犯人なのだが・・・

倒叙形式コロンボには珍しく、最後まで(見る人が)犯人を明確には特定できなかった珍しいエピソード。一卵性双生児ネタは、ミステリーの常套手段の一つなのだが、コロンボでもこういうバリエーションもあってもいいかも、とは思う。2人同時に映るシーンは、分割撮影+左右合成という基本的な仕組みで実現していると思われる。後ろの壁の垂直ラインが、合成する際の目印だろうか。

f:id:suna8com:20200724131747j:plain

上記のシーンは映像テクニックを使っているが、下記のシーンは単なる代役を使ったしょぼいもので、実際、よく見ると違和感がある。髪型はもとより体格が立派すぎて、スーツがパツンパツン(死語?)だ。犯人はもっとスマートだ。

f:id:suna8com:20200724131732j:plain

ちなみに、犯人役のマーチン・ランドーは「スパイ大作戦」や「スペース1999」での印象が強く、好きな役者の一人だ。


☆料理ショーの謎

いろいろとツッコミどころがある料理ショーのシーン。個人的には”レモンジュース”(レモンの絞り汁)の量の変化が気になった。何もしないのにいきなり増えたりして、演出の都合上だとは思うが、料理のレシピとしても多すぎではないか。他にも卵の数などに違和感がある。 

f:id:suna8com:20200724131646j:plain


☆今回登場した車について

車の登場シーンが少ないエピソードの一つで、その中で目立っていたのが犯人の運転する赤いフェラーリ330GTS)。最初のシーンでは撮影用の照明が反射してしまっている。後のシーンでは、ダッシュボードやシートなどの内装が見られる。

f:id:suna8com:20200724131204j:plain

  

以上。