原題:Murder Under Glass(直訳:グラス殺人)
日本語版:1978年 NHK総合
エピソードの回が進むにつれて、段々と車の登場するシーンが少なくなっているのは気のせいだろうか。別に車にこだわっているわけではないが、少々気になるところではある。今回も結局は犯人の車がチラッと、しかも夜のシーンで映っただけで終わってしまった。車種もどこかで見たやつだ(←手抜き?)。
著名なグルメ評論家という感じの犯人は、CMにも起用されているらしく、冒頭でCM用の写真撮影のシーンがある。商品自体は小道具だろうが、これにもやはり元ネタがあると思う。おそらくRITSだろうけど、他にあるかも知れない。
☆そして今回の最大の小道具と言えば
今回の日本語タイトルである「美食の報酬」は秀逸で、本家のタイトルが意味不明なだけに(何か意味があるとは思うがピンとこない)、余計にそう感じてしまう。そして、そのタイトルにふさわしいほどの”美食”が登場する。ビジュアルも(おそらく)味も素晴らしい料理の数々は、さすが米国とも言える。味が分かるのは寿司や刺身ぐらいで、それ以外は名前さえ浮かばない。
豪華な食べ物のシーンと言うと、映画「アマデウス」の最初のほうのシーンで別室に次々と運び込まれていく料理のシーンが思い浮かぶ。「アマデウス」は映画全ジャンルの中でマイベスト10に入る映画で、もう10回近く観ているが、素晴らしい作品である。なお、下記の動画には該当シーンがチラッとしか出てこないのが残念だ。
☆フグの毒に関する疑問
今回の殺人の方法は毒殺で、それもフグ毒を使用したもの。さすが美食とリスクは隣り合わせだということが分かってらっしゃる(偶然かも?)。特に生食が多い日本人はそのあたりの感覚は自然に持っているが、欧米人には不思議なのかも知れない。フグの毒はテトロドトキシンと呼ばれ、その毒性は厚労省の折り紙付き。下記のサイトにも詳細なデータが掲示されているが、果たして今回のエピソードで殺人が可能だったのかは、詳しい検証が必要だろう。映っている魚は毒性のある種類だったのか、さらにはその抽出方法は正しいのだろうか。さかなクンに解説してもらいたい。
危険がいっぱい ふぐの素人料理|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
☆コロンボが得意な料理は「炒め焼き」
ラストシーンで犯人と食事会をするコロンボ。メインシェフはコロンボで、本来、その立場になれる犯人はサポートに回ってドレッシングとサラダを作っていた。メインディッシュは肉料理で、コロンボ家直伝の「炒め焼き」。原語がどうなっているかはチェックしていないが、いずれにしても、牛肉の薄切りをオリーブオイルとバターで焼き、ホワイトペッパーで味付けしただけのシンプル料理である。途中赤ワインも使うが、それは付け合わせ用らしい。でも、結局、その付け合わせは皿の上には乗っていなかった。
いろいろと派手なエピソードではあるが、最後に犯人を追い詰めるシーンは、コロンボシリーズの中でも屈指ではないだろうか。
以上。