原題:An Exercise in Fatality(直訳:致死性の演習)
日本語版:1975年 NHK総合
「VETTE!」は単なるポリゴン技術が使われたカーレースゲームではなく、実在するアメリカ「サンフランシスコ」の街を再現し、その街の中をスポーツカー「コルベット」で爆走できるゲーム。 カーレースゲームでもあり、シミュレーションゲームでもあるのかな、と思う。 そしてもう1つ、すごいのが「対戦機能」を備えているところ。 当時、マイコンを複数台ネットワークに繋いで遊ぶゲームは存在していたけれど、ポリゴンで描かれるカーレースゲームで対戦機能を持ったものって、他にあったのかが自分の記憶に無い。 これは相当先に進んでた機能で、対戦方法はもう1台のMacintoshを用意し、直接モデム端子で接続、もしくはAppleTalk経由で接続。 そして当時は、モデムでアナログ電話に接続して通信する時代だったけど、なんとそのアナログモデムで接続して遠隔のMacintoshとも対戦が可能に。(8ビット箱: VETTE! より)
☆”HEALTH SPA”とはどんな場所か
ジムのような体力維持・増強のような器具ばかりではなく、娯楽施設にあるようなビリヤード台や卓球台も備えている。登場しなかったが、SPAというからには、サウナもありそうな気がする。
☆薄幸なイメージの秘書がいい感じ
図らずも犯人のアリバイ作りに利用されてしまう秘書。その女性が使用している机周りにはレトロなオフィス用品が揃っている。赤いタイプライターも”かわいくて”目立ったが、着目すべきは通話の録音用のオープンリール・テープデッキだ。これまでのコロンボのエピソードでは、カセットテープが何度か登場したが、ここでオープンリールが登場するのには理由があった。犯人がアリバイをでっちあげるために、テープを切り貼りする必要があったからだ。
☆大人の男子があこがれるホームシアター
アリバイ作りに使われた犯人の自宅には、本格的なホームシアターがある。今ならプロジェクターなのだが、当時は映写機を使う贅沢なものだった。スクリーンは電動で上下するという上級なものだ。映写機が乗った台の棚には、おそらく色々な映画などのフィルムが揃っているようで羨ましい。
☆コロンボが翻弄されるコンピュータ・ガール
会社の受付がコンピュータによって処理されており、そこの女性が杓子定規にコンピュータでしか受け付けてくれない。コロンボは口頭での回答を期待したのだが、結局はコンピュータから出力されるリストを待つしかなかった。
コンピュータと言うと、当時は磁気テープ装置が本体のように扱われているが、コンピュータ本体は別にあるはず。テープがくるくる回っているのは、単なる周辺装置なのだ。まあ、そのテープにプログラムやデータが記録されているわけだが。あと、コンソールもタイプライター式のものが採用されていて、入力装置と出力装置を兼ねている。 通称”ゴルフボール”を使った印字は、コロンボが感じるほど遅いものだった。
このあたりのイメージは、私の好きな英国のSFドラマ『謎の円盤UFO』(1970年)のオープニングでも観られる。このオープニング、もう何十回 (いや100回以上)と観ただろうか。
☆コロンボは右利きで被害者は左利き
状況証拠として、被害者の運動靴の紐の結び方の件がある。もちろん、コロンボの言うように自分で結んだ時と他人が結んだ時では逆になる。でも、パット見は分からないと思う。ていうか、結び目は利き手の違いでも左右が逆になると思うのだが、どうだろうか。実は、被害者が左利きであることを示すシーンが登場する。つまり、靴紐の結び目は右利きのコロンボの靴とは一致しないはずで、犯人を追い詰める際の説明は間違っていたことになる。穿ってみるならば、あれはコロンボ得意のトリックであり、犯人を追い詰めるための創作と言える。