suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#26「自縛の紐」

原題:An Exercise in Fatality(直訳:致死性の演習)

日本語版:1975年 NHK総合

 
【今回の小ネタ】
 
☆今回登場する車について
犯人が乗っている車は「ロールスロイス シルバーシャドー」(1965年~1980年)。ロールスロイスって、自分で運転する車ではなく、運転手付きで後部座席に乗るイメージなのだが。f:id:suna8com:20200926145706j:plain
車に関して言えば、途中に出てくるシーンがなかなか興味深かった。

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共に赤い車だが、目立ってたのは「シボレー コルベット  」。そして、背景のようにチラッと映っているのが、「ダットサン フェアレディ」(SPL311)だ。コルベットの名前を聞いて思い出すのが、初期のMacintoshのゲーム『VETTE!』(1989年)だ。
「VETTE!」は単なるポリゴン技術が使われたカーレースゲームではなく、実在するアメリカ「サンフランシスコ」の街を再現し、その街の中をスポーツカー「コルベット」で爆走できるゲーム。 カーレースゲームでもあり、シミュレーションゲームでもあるのかな、と思う。 そしてもう1つ、すごいのが「対戦機能」を備えているところ。 当時、マイコンを複数台ネットワークに繋いで遊ぶゲームは存在していたけれど、ポリゴンで描かれるカーレースゲームで対戦機能を持ったものって、他にあったのかが自分の記憶に無い。 これは相当先に進んでた機能で、対戦方法はもう1台のMacintoshを用意し、直接モデム端子で接続、もしくはAppleTalk経由で接続。 そして当時は、モデムでアナログ電話に接続して通信する時代だったけど、なんとそのアナログモデムで接続して遠隔のMacintoshとも対戦が可能に。

8ビット箱: VETTE! より)

1989年当時、Macintoshを持っていて、このゲームにハマった。特にネットワーク経由での対戦が楽しく、今思えばかなり荒い画像なのだが、リアルに感じて遊べてとても楽しかった。製品名のVETTE!コルベットのこととは知らず、当時はベッテと呼んでいたり。

☆”HEALTH SPA”とはどんな場所か
事件の現場であるHEALTH SPAは、字幕では”健康クラブ”になっているが、今の日本ででいうところのジムと健康センターを足したようなものか。

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ジムのような体力維持・増強のような器具ばかりではなく、娯楽施設にあるようなビリヤード台卓球台も備えている。登場しなかったが、SPAというからには、サウナもありそうな気がする。

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☆薄幸なイメージの秘書がいい感じ
図らずも犯人のアリバイ作りに利用されてしまう秘書。その女性が使用している机周りにはレトロなオフィス用品が揃っている。赤いタイプライターも”かわいくて”目立ったが、着目すべきは通話の録音用のオープンリール・テープデッキだ。これまでのコロンボのエピソードでは、カセットテープが何度か登場したが、ここでオープンリールが登場するのには理由があった。犯人がアリバイをでっちあげるために、テープを切り貼りする必要があったからだ。

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☆大人の男子があこがれるホームシアター
アリバイ作りに使われた犯人の自宅には、本格的なホームシアターがある。今ならプロジェクターなのだが、当時は映写機を使う贅沢なものだった。スクリーンは電動で上下するという上級なものだ。映写機が乗った台の棚には、おそらく色々な映画などのフィルムが揃っているようで羨ましい。

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コロンボが翻弄されるコンピュータ・ガール
会社の受付がコンピュータによって処理されており、そこの女性が杓子定規にコンピュータでしか受け付けてくれない。コロンボは口頭での回答を期待したのだが、結局はコンピュータから出力されるリストを待つしかなかった。

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 コンピュータと言うと、当時は磁気テープ装置が本体のように扱われているが、コンピュータ本体は別にあるはず。テープがくるくる回っているのは、単なる周辺装置なのだ。まあ、そのテープにプログラムやデータが記録されているわけだが。あと、コンソールもタイプライター式のものが採用されていて、入力装置と出力装置を兼ねている。 通称”ゴルフボール”を使った印字は、コロンボが感じるほど遅いものだった。

このあたりのイメージは、私の好きな英国のSFドラマ『謎の円盤UFO』(1970年)のオープニングでも観られる。このオープニング、もう何十回 (いや100回以上)と観ただろうか。

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コロンボは右利きで被害者は左利き
状況証拠として、被害者の運動靴の紐の結び方の件がある。もちろん、コロンボの言うように自分で結んだ時と他人が結んだ時では逆になる。でも、パット見は分からないと思う。ていうか、結び目は利き手の違いでも左右が逆になると思うのだが、どうだろうか。実は、被害者が左利きであることを示すシーンが登場する。つまり、靴紐の結び目は右利きのコロンボの靴とは一致しないはずで、犯人を追い詰める際の説明は間違っていたことになる。穿ってみるならば、あれはコロンボ得意のトリックであり、犯人を追い詰めるための創作と言える。 

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以上。