suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

使いづらい『なごや乗換ナビ』

主に名古屋市内に住んでいる人には便利であろう『なごや乗換ナビ』というアプリ。確かに機能的には必要十分なのだが、何しろ使い勝手が悪すぎてイライラする。どうしてこういう設計になってしまったんだろうか。3章に分けてまとめてみた。

 

第1章 実際に使ってみての感想

私自身、毎日このアプリを使用しているので、ヘビーユーザーの一人だと思っている。たまに使うなら”こんなものか”とスルー出来る点が、気になってしょうがないのだ。そういう目線で率直な感想を、以下に長々と書いてみた。

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まず起動画面でイラつく。このアプリはGPS機能も使用するので、今いる位置を把握できるはずなのに、起動時には必ず名古屋駅のど真ん中を表示する。”This is NAGOYA”とでも言いたいのだろうけど、利用者にとっては全くメリットがなく、それ以上にデメリットの方が大きい。何しろ。名古屋駅付近が地図として1番複雑で、そのため情報量が多い。つまり、起動に時間がかかる。いわゆる”重い”のだ。Wi-Fiならともかく4Gでも重く感じるし、3G回線(あるいは規定容量を超えた時の低速モード)では使い物にならないぐらい”重い”のだ。しかも、表示が完全に完了するまで本来の機能が使えないというお粗末さ。画面右上の俗に言う”ハンバーガーメニュー”も、タッチするとメニューコンテンツが出てくるのに、実際には指定の機能には遷移しない。どうやったらこんな仕組みに作れるのか、想像すらできない。

 

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やっと初期画面が表示されたかと思うと、なぜかお知らせダイアログが出てくる。確かに、未読の新着情報なら表示されるのも分かる。でも、そうではない。

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試しに「OK」を押して内容を見てみると、新着でもなんでもない、ただの期間限定の固定メッセージ。つまり、(上記の場合)9月11日以降、この期間が終わるまで、起動時に毎回表示されるようなのだ。リピーターにとってはまったく不要の表示だ。未読・既読管理をして欲しい。(おそらく、データ保存処理が面倒なのだと推測するが)

 

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さて、このアプリの主たる機能は(メニュー上は多く見えるが実はたった)2つ。

・なごや乗換ナビ
・市バス接近情報

アプリ名をそのままメニュー名の一つにするのもどうかと思うが、まあそれがメイン機能なんだろう。(元々はその機能しかなかったのかも知れない)こちらの検索までの操作性は問題ないが、何しろ検索結果が出た後が問題なのだ。

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一見、標準的な検索結果に見えるが、事実上の検索機能はここまで。この画面のどこを触っても何も反応しない。例えば、バス停をタッチするとそこの時刻表が出るとか、付近の拡大地図が出るとか、そのまま接近情報の画面(後述)に遷移するとかは一切できない。単なる”絵”なのだ。また、もう1本後の候補を見たいと思っても、この画面ではできず、一旦もとに戻ってから時刻を入れ直す必要がある。他の乗換案内アプリのレベルを期待してはいけないのだ。

 

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このアプリの2つめの機能である「市バス接近情報」は、さらに使いづらい。この機能を使うのは、主に市バスの”常連さん”だと思うのだが、そういうユーザーの視点に全くもって立っていないのだ。

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まず、乗車停を選ぶのだが、その入力枠を触るといきなり上記のようなひらがな50音キーボードが表示されるのだ。「なごや乗換ナビ」では直接入力できたのに、全く異なるユーザーインターフェースで驚いてしまう。このキーが使いやすいと思っているのだろうか?スマホの予測変換入力のほうが数倍速い。いつも使っていればなおさら学習効果でワンタッチとなるのに、このキーではなんともしがたい。たしかに、この画面の入力枠をタッチするとスマホの標準入力となるが、毎回、その操作を強いられることになる。不要なワンタッチなのだ。

 

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さらに無駄な操作が続く。乗車停を入力した後、2択になる。つまり、そのまま「表示」するか「下車停」を指定するかだ。一見、そのまま表示(検索)したほうが速そうだが、それは路線によって異なる。つまり複数の路線の停留所になっている場合、下車停を指定しないと、検索結果が多数表示されて見にくいのだ。例えば、2路線の場合は4つの検索結果の表示になる。自分が今、立っている停留所は反対側にも同じ名前の停留所があるわけで、方向を指定しないと結果は2倍になる。

結局、下車停を指定することで、方向(XX方面)も決まるし、下車する停留所次第では1候補に絞られることになる。実際、私が毎日使っている停留所では下車停を指定すると候補が1うに絞られて結果がすぐに見られるわけ。ならば、最初から乗車停と下車停の枠を表示しておき、下車亭のほうを入力するかしないかで結果を変えれば済むことなのだ。結局、下車停は”絞り込み条件”という位置づけなのである。

 

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実は検索時の停留所の指定方法にはあと2つの方法があるようだが、実は全く使ったことがない。というか、どう見ても実用でレベルではないのだ。

路線図”は、そのまんま市バスの路線図(というかバス停)を地図上に表示するだけ。しかも、現在地付近を表示するのではなく、なぜか名古屋駅西あたりが必ず表示される。まったく意味不明である。GPSによる現在地移動機能もない。地図のスクロールもスムーズではなく、ここでもイラつく。

系統”に至っては市バスのすべての系統をリスト上に延々と列挙しており、数えてはいないが100系統ほどあって、スクロールするだけでも疲れ果てる。系統を選んだあと、さらに停留所一覧が表示され、やっぱりイラつくわけ。しかも検索機能すらないようで、仮にデータベースとしても役に立たない。

アプリの開発時に本当に実用的な目線でチェックしたのだろうか?

 

そう言えば、メニューの中に言語の設定があったはずだと、試しに使ってみることにした。英語圏などの人も使うであろう。そういう人の目線でもチェックすべきだと思いついたわけ。

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端末設定により英語以外の言語も選べるようだが(?)、今回は単純に英語に切り替えるのみにした。

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確かに「なごや乗換ナビ」に関しては、ほぼすべての操作・表示が英語に気に変わっている。特に問題なさそうだ。

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いずれにしても機能は変わらないので、おそらく英語圏の人もイラついているのではないだろうかと想像するが、価値観も違うので意外にスムーズに使っているのかも知れない。

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ところが、もう一つの機能である「市バス接近情報」を選ぶと、なんとタイトルだけが英語(Current Bus Locations)に変わるだけで、それ以外はすべて日本語のままなのである。これには正直びっくりした。タイトルは英語になっているので、言語設定が間違っているわけではない。こんな大きな機能をリリースの際に見落とすとは思えないので、完全な手抜きであろう。入力モード時に日本語のソフトウェア・キーボードが表示された時には笑うしかなかった。まあ、日本に来て名古屋の市バスに乗るような人だから、ひらがなぐらいは使えるだろうという解釈も出来るが、すべての表示が日本語のままなので、そういう好意的な解釈さえできない。

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試しに関連する画面も見てみたがことごとく日本語のままであった。まあ、予想通りだったが、非常に悲しい結果であった。

 

第2章 現状仕様の課題点のまとめ

以上、画面の遷移順に機能レビューと操作感を長々と列挙してきたが、そこで浮かび上がった課題点を箇条書きにまとめてみることにする。細かい点は無視し、重要な課題だけに絞ってみた(実は第1章で書いた点以外にも色々と細かい課題はあるが)。

①アプリの起動時に強制的に名古屋駅付近の地図が表示され”重たい”
②上記の表示中には一切操作が出来ない(出来るように見えるが実際には不可)
③お知らせメニューの既読処理が出来ておらず同じメッセージが毎回出る
④「なごや乗換ナビ」の検索結果からはどこへもリンクされず低機能
⑤「市バス接近情報」の操作性が悪すぎる(余分な操作を強いられる)
⑥言語設定が「市バス接近情報」にはまったく反映されない(日本語のまま)

以上の課題点を解消出来たら、きっとイラつくこともないのではないかと思う。ちなみに、この中でも特に重要なのは、④~⑥だと思われる。

また、このアプリの構造的な問題は、(あくまで推測だが)「なごや乗換ナビ」に「市バス接近情報」を後付けした点になると思われる。似たような機能を別々に開発し、それを無理やり合体させた構造だと考えると、色んな点で合点がいく。同時に仕様を考え開発していたら、こんなちぐはぐなアプリにはならなかったはずだ。 

 

第3章 アプリの仕様改良提案

リリースされているアプリの仕様を大幅に変更するのは現実的ではない。なので、ここでは比較的軽微な修正で、使い勝手を良くしイライラを解消する点に着目してみたい。

1.なごや乗換ナビ

(1)起動時に表示される地図を、現在位置を中心にしたものにする。

 これはすぐにでも出来る改良で、万が一GPSによる測位が出来ない場合は、前回の位置情報を元に地図を表示すればよい。それが初回だった場合のみ、名古屋駅をデフォルトとすればいい。(課題①を解消、軽くなれば課題②が残っても実質問題ない)

(2)お知らせダイアログにおける既読機能(データ保存機能)を搭載する。

 おそらくこのアプリはデータの保存機能を持っていないので、メッセージなどの既読処理が出来ない。これは他の課題の解決にも必要な機能で、ぜひとも搭載して欲しい。(課題③などの解決)

(3)検索結果で表示された経路から各種リンクなどを実現する。

 せっかく表示された経路が、それ以上の機能を持っていないのはもったいない。少なくとも、停留所をタッチしたら時刻表が出るとか、接近情報の画面に遷移するとかして欲しい。また、次のバスを基準とした再検索機能もあったら嬉しい。(課題④の解決)

2.市バス接近情報

(1)画面デザインの一新や外国語対応はは将来に期待する。

 理想的には「なごや乗換ナビ」とほぼ同じ検索画面のデザインと操作性を実現して欲しいが、全体的なデザインを変えるのは手間暇がかかるので、大きなデザインの変更はしない前提とする。また、ユーザーが少ないであろう外国語完全対応は、優先順位を落としても良いと思う。

(2)検索する時の画面の表示や操作性を改善する。

 検索時に最初から乗車停と下車停の入力枠を表示し、下車停は任意入力の形で検索できるようにする。また、50音キーボードは表示せず、「なごや乗換ナビ」と同様に、スマホの直接入力をデフォルトとする。50音入力機能はオプション設定で、必要に応じて表示できるようにする。(課題⑤の解決)

(3)マイパターン機能・履歴記憶機能を新たに搭載する。

 一見さんならまだしもリピートユーザーにとっては、今のままでは面倒なだけのアプリなので、リピーター対応の機能を搭載して欲しい。既出の”最終現在位置記憶機能”や”既読処理機能”はもとより、よく使う路線を予め登録する”マイパターン登録機能”を搭載し、路線検索や接近情報検索時に呼び出せるようにして欲しい。マイパターンが難しいなら、履歴呼び出し機能でも構わない。直近の5組ぐらいの検索情報(各機能ごと)を記憶し、呼び出せれば使い勝手は格段に向上するだろう。

 

以上。