原題:PLAYBACK(直訳:再生)
日本語版:1976年 NHK総合
”ROBERT BROWN "は犯人の義弟アーサー役を演じた俳優で、調べてみるとスタートレックの第1作(TOS)、いわゆる「宇宙大作戦」にも出ているようだ(写真右)。
☆かなり高級なビデオシステムだけど白黒
ラストシーンにも使われているビデオルームには、色々な機材が揃っていて目移りする。そのメインはテープデッキ(レコーダー)とモニターが2セット組み合わされているコンソール。ダビングに対応したものだろう。スイッチ類がかなり多いが何に使われるのか不明だ。
あと、コンソールの右サイドにあるのがパッチパネルのようだ。何かしらの目的で使用されているらしいがよく分からない。モニター、レコーダー、カメラの接続をしているようだが、そんなに切り替える必要があるものだろうか。まあ、入り口の警備員室にもモニターがあるので、そことの接続を変更(通常はカメラだがこの時はレコーダーに切り替えたいわけだから)しているとは思うが。
☆腕時計はデジタルなのにタイマーはアナログ式
犯人は指定の時刻にテープデッキが再生(PLAYBACK)されるようにアナログ式タイマーをセットしたようだが、本当にこれでうまくいくのか疑わしい。このタイマーは単なる電源のON/OFFを行うもので、デッキは電源がONになったからといって再生するとは限らない。ただ、昔の製品はスイッチ類が機械式なので、電源OFFの状態でもPLAYの状態を保持できるので、ひょっとしたらうまくいくかもだが、警備員室のモニターへの接続も同時に切り替えることが出来るのだろうか?上記のパッチパネルに秘密があるのかも知れない。
また、犯人がしているデジタル表示の腕時計がかなり気になる。赤色の7セグメントLEDを使用したシンプルなもので、当時実際に売られていたものだろう。下記はズバリではないが、この手の腕時計としては先駆けでポピュラーな製品。
『激烈』(写真左上) ・・・・・・・・700ドル
『死んだ犬の憂慮?』(写真左下)・・・1200ドル
『駐車場?』(写真右上)・・・・・・・4700ドル
『無題』(写真右下) ・・・・・・・・プライスレス
☆ちょっと無理がある最後のシーン
犯人のアリバイを崩す決定的な証拠として、テープに録画されている映像を拡大し確認する シーンがある。最大に拡大すると、デスク上に置いてある招待状の字まで見えるということだが、疑問点が2つある。
一つはもちろん解像度の問題で、アナログの世界では拡大しても大きくはなるが細かさは変わらないわけで、ブラウン管を虫眼鏡で拡大するようなもの。現在のデジタル技術ならいざ知らず、当時の装置ではどう考えても無理。
もう一つはアングルの問題。カメラは1台で固定されているので、一定のアングルしか映っていないのに、なぜか拡大操作中にアングルが変わっている(下記の左上から右上)。良く見ると椅子の角度も変わっているので、明らかに別の位置から撮影したものである。
また、最後の拡大時にはカメラがズームしたような動きで画像がアップになった。まあ、当時のドラマの演出としては頑張ったほうだとは思うが。