刑事コロンボ#7「もう一つの鍵」
原題:Lady in Waiting(直訳:待っている女性)
日本語版:1973年 NHK総合
なんだか今回のエピソードは個人的には盛り上がらなかったので、一部手抜き(再生タイム記入なし)とする。ま、誰も読んでない辺境日記だからいいか。
☆印象に残る冒頭のシーン
サイドテーブルには、鍵、睡眠薬、水の入ったコップ、けん銃、防犯装置のスイッチ。さて、これからどんなミステリーが展開するのか。
☆犯人がベッド上でチョコレートを食べているシーン
当然、食べる前は包み紙はない。でも、1個手に取ったあとに切り替わった直後のシーンでは、包み紙が散乱しているのだ。
☆十分な証拠が残りそうなのに
被害者は正面から胸部に弾丸を3発くらう。普通なら相当血が出るはず。なのに、うつ伏せに倒れた場所(おそらく絨毯)には、血痕が一切ない。明確に画面には映ってはいないが、十分な証拠になり得るが、その後の展開には一切、この件は出てこない。
☆タクシー代を立て替えたコロンボ
タクシーの運転手に使用人と間違えられて、タクシー代を代わりに払う羽目になったが、領収書をもらってない。警察の人間としてはいい加減だ。
☆相変わらずお金持ちは高級車を買いたがる
犯人が買った青い新車はフェラーリ365GTB(デイトナ)だ。1972年当時の新車価格は1500万円(自分調べ)。しかも、現在の流通価格は$565,000(自分調べ)で、約4倍に跳ね上がっている。
☆コロンボは犯人宅に不法侵入している
他人の家に勝手に入るだけでなく、何と事前に合鍵を作って開錠して入っている。逮捕するつもりが逆に逮捕される立場になり得る。しかも、逮捕状も持ってないようなので、言い訳が通じない。
☆一事不再理に対する疑問
物語の前半でロスアンゼルス郡裁判所内のシーンがある。審問会(?)で、今回の「死亡事件」での「不慮の死」は「過失による」ものというセリフがある。ただし、判決は告げられていない。雰囲気は無実っぽいが、本当か?「過失致死」というのはアメリカでもあるようなので、それに相当するような気がする。つまり有罪で、その後自由の身になっているのはおかしい。逆に、たとえ無罪判決が出ていても、一事不再理の原則により、いずれにしろコロンボが登場する幕はないわけ。まあ、それじゃあドラマにならないが。
ということで、アメリカの裁判制度をちょっと調べてみた。
アメリカでは、訴追する場合には、逮捕後48時間以内に裁判所に訴追状を提出し、また被疑者を裁判所に連行して保釈条件の設定をしなければなりません。これらの手続きは検察官の仕事です。この「訴追」とは、起訴ではありません。訴追の後、「予備審問」を経て起訴になりますが、この一連の手続きは、法廷で検察官が関与して行われます。
つまり、"犯人"は「予備審問」で不起訴になったということのようだ。つまり裁判まで行っていないので、”無実”以前というわけ。ただ、不起訴になった人間を再逮捕して、起訴に持っていけるかどうかは不明。でも、結局このエピソードでは証拠不十分(物的証拠なし、自白あるいは関係者の記憶のみ)で、また不起訴になりそうだが。
以上、http://www.superdramatv.com/line/lawandorder/features/otherfeatures/baishin.html より抜粋引用