下記の内容は、登録している『まぐまぐニュース!』というメルマガの本文中に書かれていた内容からの抜粋引用です。
私が、60歳で長年勤めてきた会社をきっぱりと辞めて・・・というシチュエーションとかなりかぶる内容だったので、自分の”お気に入り”に登録と元記事があるかと探したのですが、見つからなかったのでその代わりとして、この日記に勝手に転載することにしました。(問題あればお知らせください)
なお、文字の大きさなどの編集、および単語等へのリンクの追加は独自で行っておりますが、文章自体は一切変更していません。
以下「まぐまぐニュース! 2021/9/21 号」より
仕事は60歳でスパッと辞めよ。人生100年は嘘、死ぬ間際に後悔しない「FIRA60(ファイラ60)」の人生プラン=榊原正幸
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『Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』2021/9/1号より
https://i.mag2.jp/r?aid=a6141dba757054
◆人生は100年時代ではない!一番大事なのは「人生の残り時間」
リンダ グラットンとアンドリュー スコット著、「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)」が2016年10月に出版されて以来、「人生、100年時代」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。
同書によると、2020年において20代前半くらいの若い人は、「2人に1人が106歳まで生きる」とのことですが、このことをもって、あたかも「みんなが100歳まで生きる」かのように思われてしまっているのは、明らかに間違いだと言わざるを得ません。
厚労省が令和2年に公表した簡易生命表によると、次のようになっています。
60歳男性:平均余命は24.21年(84歳前後で死ぬということ)
70歳男性:平均余命は16.18年(86歳前後で死ぬということ)
80歳男性:平均余命は 9.42年(89歳前後で死ぬということ)
90歳男性:平均余命は 4.59年(94歳前後で死ぬということ)
60歳女性:平均余命は29.46年(89歳前後で死ぬということ)
70歳女性:平均余命は20.49年(90歳前後で死ぬということ)
80歳女性:平均余命は12.28年(92歳前後で死ぬということ)
90歳女性:平均余命は 5.92年(96歳前後で死ぬということ)
男女とも、どの年代を取っても100歳まで生きるということにはなっていません。
◆健康に過ごせるのは70歳まで
しかも問題となるのは余命や寿命ではなく、「健康寿命」です。「健康寿命」とは、「健康上の問題で日常生活を制限されることなく過ごせる期間」のことをいいます。
2021年の時点では、男性の「健康寿命」は72.6歳、女性の「健康寿命」は75.5歳となっています。これらは、あくまでも「平均値」でしかないので、個人差が大きいと思います。
序にも書きましたが、実際には男女とも、「健康なのは70歳まで」と心得ておいた方がいいと思います。
もちろん、現在、20代前半くらいの若い人は、この「健康寿命」も、男性で80歳、女性で85歳くらいまで伸びる可能性はありますが、それにしても「人生100年時代」ではないわけです。(これから何年か後に、医学そのものや医療関連の技術が、革命的に進歩するような特異点を迎えれば、話は別ですが。)
そう考えると、今の中高年については、当分の間は、健康なのは70歳くらいまでだし、生きているのもせいぜい90歳くらいまでであって、「人生は100年時代ではない!」と声を大にして言いたいと思います。
◆「大好きではない仕事は、60歳で辞める」
そうは言っても、もしかして90歳や100歳まで生きていた場合に、老後の後半になって破産状態になってしまってはいけないので、もちろん、100歳まで生きても大丈夫なようなファイナンシャル・プランを作っておく必要はあります。
「100歳以上まで生きても大丈夫なようなファイナンシャル・プラン」のことを「エターニティ(Eternity;永遠)」(または、「エターナル・ファイナンシャル・ポジション:永遠の財政状態」)と名付けて、本連載の後半で述べます。
ここで重要なことは、「いくつまで生きているのか」ではなく、「いくつまで健康なのか」であり、それはきっと「70歳くらいまで」であろうということです。
そして、本連載の最大のテーマは「60歳で仕事を辞める」ということであり、その根拠になるのが、「60歳というのは、QOLが高い人生が、あと10年しかないこと」です。これをきちんと咀嚼したら、答えはひとつです。
「大好きではない仕事は、60歳で辞める」
これに尽きます。
そして、それを実現できるように、あらかじめ準備していくことは、自分の人生にとって、とても有意義だという価値観を若いうちからはっきりと認識しておくことです。
「そんなことは充分にわかっているけど、先立つものがないから辞められないんだよ。」
大多数の人の答えは、これです。ですから、本連載の後半では、このことに対する解答を用意してあります。
大好きではない仕事を60歳で辞める理由のうちの最大のものは、「人生の残り時間が少ないから」です。あと10年しかないのです。もし結果として、もっと長かったら、それは単に「ラッキーなだけ」です。残りの10年は、「好きなことしかやらない人生」にしないと、いまわの際で後悔します――