原題:Troubled Waters(問題のある水域)
日本語版:1976年 NHK総合
troubled waters(ロングマン現代英英辞典より)
a difficult situation, especially where there is a lot of disagreement and problems
→We don’t want to enter the troubled waters of race and religion.
コーパスの例
troubled waters
• This particular fish was very shortly going to find itself in exceedingly troubled waters.
• The Oxford oar presented as a momento, will help bail him out of any troubled waters he's yet to encounter.
• We don't need to enter the troubled waters of religious truth-claims.
• After just half an hour in the pool, it was back to the troubled waters of the Foreign Office.
さらに上記の最初の部分を和訳してみる。
特に意見の相違や問題が多い困難な状況のこと。
例文→人種や宗教などの問題のある水域には入りたくない。
結局、客船上(=海上)で起きる事件と、それが困難な状況であることを引っかけた、一種のダブルミーニング風なタイトルということだろう。
☆それはピストルではないのか?
もう一つ、レトロな器具と言えば、アナログ式の血圧計が2種類登場する。時計のような丸いところの針の動きを見たり、別のシーンでは温度計のような目盛りを見て血圧を確認する。今では上下の血圧値が自動でデジタル表示されるが、これらの血圧計の場合、操作法や見方を知らないと血圧はきっと測れないだろう。
このピストルは中折れ式で銃身が角ばっており外観がかなり特徴的だ。そのせいか様々な作品でも採用されていたりするらしい。ジブリ作品に絞っても「天空の城ラピュタ」、「紅の豚」や「ハウルの動く城」などに登場するようだ。(下記はラピュタのムスカ大佐)
☆今回も小ネタ中の小ネタ3発
ちょっと静止画では見たくない履き古した黄緑色のパンツが何気に映っていた。いったい誰の持ち物なんだろうか。(特定は不可能だろうけど)
今回、コロンボは犯人に色々と証拠を見せつけるシーンが出てくるが、薄手の医療用ゴム手袋の内側についたであろう指紋を、鉛筆の芯の粉で検出して指紋照合していた。その時に出てくるのがいつもの手帳だ。しかし、こんなので指紋照合なんて出来るのだろうか?
そして、最近のエピソードに連続的に登場している、隠れキャラのマイクラリー氏。今回は氏の”定職”とも言えるバーテンダー(兼ホール係)だ。制服が似合っている。
☆心臓発作のトリックに使われた薬品について
犯人が心臓発作に見せかけて病室に担ぎ込まれるシーンで使われた薬品が『亜硝酸アミル』。聞いたことがなかったのでちょっと調べてみることにした。
効能効果
狭心症
シアン及びシアン化合物による中毒用法用量
<狭心症>
1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕し、内容を被覆に吸収させ、鼻孔に当てて吸入させる。<シアン及びシアン化合物による中毒>
直接吸入
直接吸入は、自発呼吸がある場合に実施する。
1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕し、内容を被覆に吸収させ、鼻孔に当てて吸入させる。なお、症状により適宜増量する。回路内への投入
バッグマスク等の呼吸器経路内に、1回1管(亜硝酸アミル0.25mL)を、被覆を除かずそのまま打ち叩いて破砕した亜硝酸アミルのアンプルを投入し内容を吸入させる。なお、症状により適宜増量する。
禁忌
・心筋梗塞の急性期の患者[心筋梗塞の急性期では血圧低下がみられるので、本剤の投与により末梢血管が拡張され、さらに血圧が低下し、心原性ショックを誘発するおそれがある。]
・閉塞隅角緑内障の患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
・頭部外傷又は脳出血のある患者[頭蓋内圧を上昇させるおそれがある。]
・高度な貧血のある患者[血圧低下により貧血症状(めまい、立ちくらみ等)を悪化させるおそれがある。]
・ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者
(医療用医薬品 : 亜硝酸アミル より)
用法は間違っていないが、実際に(軽い)心臓発作を起こすかと言えば、そうでもなさそうで、”心筋梗塞の急性期の患者”のみに限定された副作用で、それ以外では起こっても血圧降下程度だ。まあ、心臓発作は芝居でカバーし、血圧が下がったという症状を出せば、医者は騙されるのかも知れない。そんな単純かどうかは知らないが。