suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#24「白鳥の歌」

原題:Swan Song(直訳:白鳥の歌

日本語版:1974年 NHK総合

 
【今回の小ネタ】
 
☆今回登場する車について
犯人が乗っている車は「キャデラック フリートウッド エルドラド コンバーチブル」という長ったらしい名前で、コロンボでは同シリーズが何回も登場する。ただし、今回はレンタカーという設定。 

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☆LOST SOUL'S CRUSADE Temporary Headquarters
今回の犯罪の動機の一つが、奥さんの宗教への執心である。主人公の歌手活動で得た収益の大部分を礼拝堂の建築資金につぎ込んでいた。宗教団体名はセリフでは出てこなかったが、その仮設本部(Temporary Headquarters)に横断幕が掲げられており、そこには「LOST SOUL'S CRUSADE」と書かれている。直訳すれば”失われた魂の十字軍”である。礼拝堂が完成した暁には、本部はそこに移転するのだろう。

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ただ、日本語のセリフで気になったのは礼拝堂を”らいはいどう”と言っていたことで、かなり違和感があった。素直に”れいはいどう”でいいのではないかと思って、調べてみたらやっぱり”れいはいどう”で正解のようだ。

www.nhk.or.jp

「礼拝」の「礼」の読みには、「呉音」の[ライ]と「漢音」の[レイ]があります。このうち、「呉音」(中国・六朝時代の南方―呉の発音といわれる)は、「漢音」よりも先に日本に伝わったとされ、比較的古い時代のことばや仏教用語の読みに多く用いられています。「礼拝」の読みも、仏教では「呉音」の読みの[ライ]を用いて[ライハイ]と読みます。しかし、キリスト教イスラム教では同じ「礼拝」でも「漢音」の[レイ]を用いて[レイハイ]と読みます。放送でも宗教・宗派によって次のように読み分けています。

「礼拝」・・・・ライハイ(仏教)
「礼拝」・・・・レイハイ(キリスト教イスラム教)

まさか、”失われた魂の十字軍”が仏教ってことはないだろうし。


☆♪黒いギターに変えたのは~~♪
このエピソードで使用されているギター、史上初の黒い「マーティンD-35」は、犯人役のジョニー・キャッシュの手でデザインされたものとのこと。

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現在では、そのシグネーチャーモデルが市販されている。

www.guitarshoptantan.com

アメリカンカントリー界の巨匠ジョニー・キャッシュが1986年にカスタムオーダーしたとされるD-35のデザインを、コストパフォーマンスに優れたXシリーズにて再現したシグネーチャーモデルです。黒で統一されたドレッドサイズに、ポジションマークは☆と”CASH”のロゴ。ロゼッタとラベルにはサインが施されております。
ハイプレッシャーラミネート、指板&ブリッジはリッチライトで作られており、輪郭のくっきりした元気なサウンドで、カントリーのみならず様々なジャンルで存在感のある演奏をすることが可能です。また、構成材料は耐久性に優れており、過酷な使用環境下でも安定したコンディションを保つことが出来ます!ピックアップはアコギピックアップ界の老舗FishmanのMXを搭載しており、ナチュラルで扱い易いサウンドエレアコとして使用可能です。 

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コロンボは本当に飛行機に弱いのか
犯人が使用した飛行機は、1971年製のセスナ172Lスカイホーク (N2853Q)で、そのあとコロンボが乗っていた警察の航空機は、NORTH AMERICANのナビオン N8642H)。共に今も現役らしい。

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☆細かい点が気になってしまう性格
犯人が後部座席に女性2人を乗せ、その二人にコーヒーを飲ませるために、機内の暖房用ヒーターのスイッチを切るシーンがあるが、違うスイッチにしか見えない。「CABIN HEAT」という表記は、昭和に流行ったダイモで有名なテープライターで即席で作ったものだし、本来のスイッチの名称は「ALT」となっている。

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「ALT」は発電機(オルタネーター)のことで、飛行機に乗った時に実質的に最初に入れるスイッチだ。

セスナ機のエンジン始動の手順

1)プライマー:燃料を直接エンジンに送り込むためにポンプを手動で押す
2)キャブレターヒート:オフ
3)スロットル:1/2インチ開(エンジンが暖かい場合は全閉)
4)ミクスチャー:リッチ(濃)
5)プロペラ回転領域:障害物(人)がないことを確認
6)マスタースイッチ:オン
  上の画像、計器盤左下にある赤いスイッチ。BATはバッテリー、ALTはオルタネーター(発電機)となっていて、BAT入れて、ALT入れるといい。
7)スターター(MAGNETOS):スタート位置まで回す(エンジン始動後に開放)
8)スロットル:1000回転かそれ以下に調整
9)オイルプレッシャー:油圧計を確認
10)スターター(MAGNETOS):BOTHの位置まで戻っていることを確認
11)ナビゲーションライト、フラッシングビーコン:必要なスイッチをオン
12)無線機:オン

【エンジン始動から離陸まで】セスナ 172S をフライトシミュレーターで飛ばす : ウサコッツ飼育日記

 

☆ジャンボジェットが地味に登場
コロンボと空軍のお偉いさんとの会話の途中で、窓の外の上空をボーイング747が飛んでいるシーンが挿入されている。かなり荒い画像だが、ジャンボジェットに間違いない。1969年2月に初飛行したということで、コロンボが放映された時代にはまだ目新しい飛行機だったのだろうか。 しかし、米軍のお偉いさんはいつもバッジや階級章をいろいろ付けてるねぇ。

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☆また登場したカセット・テープ・レコーダー
流行り物を採用する傾向があると思われる『刑事コロンボ』。前回はボイスレコーダーだったが、今回は、以前にも別のタイプが登場したカセット・テープ・レコーダーがまたもや登場。かなり小型化されているが、初代のウォークマン より無骨で、いかにもアメリカンというデザイン。 

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(1979年発売のSONY製の初代ウォークマン「TPS-L2」)
 
 
以上。