suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#61 「死者のギャンブル」

原題:A Bird in the Hand...(直訳:手の中にある1羽の鳥は…)

日本語版:1997年 NTV

 

★今回の原題について
なぜ「A Bird in the Hand...」と最後に点々が付いているかと思って調べてみると、元々は「A bird in the hand is worth two in the bush.」ということわざで、直訳すると「手の中にある1羽の鳥は茂みの中の2羽の価値がある。」となるが、日本語訳としては『明日の百より今日の五十』という意味合いになるようだ。今回のエピソード中の何のことを比喩したものかは解釈が難しいが、何となく言わんとすることは分かる。ただ、日本のことわざを充てるとしたら、結果的には『二兎を追う者は一兎をも得ず』のほうに近い気がした。

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さらに言えば、今回のタイトルはエンディング・クレジットになってやっと表示されたのも特徴。逮捕されて「それ見た事か」みたいな戒めセリフの代わりとしたのか、単にネタバレになるからなのかはネイティブなマニアに聞かないと判断不能だが、いずれにしても奇妙な仕立ての脚本と合わせて、前回同様に違和感のあるエピソードである。

 

【今回の小ネタ】
 

☆今回登場する車
犯人が乗っている車は、いかにもアメ車な外観の「Buick Skylark convertible」(1972年式?)。一方、今回のストーリーの”キモ”となるロールスロイスはエピソード中、1度も公道を走ってはおらず、単なる置物と化している。爆発物を仕込んだ大道具なのかも知れない。何しろ、本物は高価な超高級車なので爆発させて壊すにはもったいない(というか予算が…)。

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実は、上記の写真の2つのシーンのロールスロイスを良く見ると、同じ車体(ナンバープレートが同一)なのに、フロントグリルの形状が微妙に異なる。 本物は上記写真の左のほうだと思われるので、やはり右の爆破時の車体はモックアップだろう。 

ロールスロイスはもう1種類登場する。コロンボショールームに出向いて、実車のエンジンルームや下回りをチェックするシーン。こちらは建物ごと本物だろう。

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また、以前のエピソードでも似たようなトラックが登場した”庭師の作業車”は、実は米国では盗難のターゲットになるぐらいの人気だったようだ。日本ではちょっと考えにくいが、これが文化の違いなのであろう。

 

☆やっぱり小道具に目立ったものはない
新シリーズになってからは、ストーリー展開に重点を置いているのか、小道具が活躍するシーンが減っているように感じる。まあ撮影時期が、日本で言うところの平成時代に突入したので、昭和なテイストが無くなったというのも(個人的には)あるとは思う。
そんな中で、何気にSEIKOと刻印されたゴールドの腕時計が映ったり、パイプ爆弾が登場したりと、見逃せないアイテムが出てくるのではあるが。

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☆ちょっと手抜きなテレビの流用
以前のエピソードで、放送局用のモニターとして登場したSONYのテレビが、今回にも使用されていた。しかも、異なるシーンで2回登場、1回目が警察署内で2回目が被害者宅。まあ、前者のシーンではあまり違和感はないが、後者の場合は違和感がありすぎ。一般家庭向けの製品ではないし、デザイン自体が周りの雰囲気や家具とはマッチしないのだ。籐製と思われるTV台に置くには、あまりにも無骨である。

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被害者がジョギング中に頭に装着していたヘッドホン様のものは、(上記写真には写っていないが)アンテナが付いていたので、おそらくラジオが内蔵されたものだろう。時代を感じるアイテムではある。(製品名などは不明)

ちなみに、この当時にはすでにウォークマンと組み合わせたイヤホンタイプの製品も登場していた。1987年に流れていたCMが懐かし過ぎる記憶。

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以上。