suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの普通の日記

若手ウイルス研究者の貴殿へ

相変わらずツイッターにハマっていて日記の進捗が悪い。でも、リアルタイムで様々な価値観に触れることはかなり楽しい世界。元来ツイッターは「つぶやき」のはずで、意訳すれば「独り言」なので双方向性は期待していなかったはずで、日記のショートショート版だったのが、いつの間にか壮大な(ほぼ)リアルタイム・コミュニケーションツールとなっている。(確かに、10年以上前に最初のアカウントを作った時には「何か価値があるのか?」と思ったほど)

で、ツイッターでたまたま見つけた下記のツイートがかなり興味を惹いた。

自称「京都大学の若手ウイルス研究者」ということで、今回の新型コロナウイルスにおいて、東大と並んで頻出する大学に在籍している人のようである。京都大学においてコロナ関連で目立つのは、(山中教授は除外するとして)上久保靖彦氏、宮沢孝幸氏、川村孝氏、そして藤井聡氏である。そんな素晴らしい環境における「若手ウイルス研究者」の情報発信は貴重だと思ったわけ。 

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で、さっそく彼の執筆した『若手ウイルス研究者がざっくり教える 新型コロナウイルス(特に変異株)』という電子ブックをダウンロードして、読んでみた。現在は初版とのことで、確かにまだ改版する余地はあるように思った。Amazonへのレビューも希望されていたので、さっそく書いてみた。(まだレビュー欄には反映されてないかも知れない)

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他のレビュアーで細かい専門的な指摘をしていた人がいたが、それを商品ページのレビューに書くのは筋違いで、作者にダイレクトに伝えるべきだと思う。かくいう私自身も、専門家ではないが文章として気になった箇所があったので、本来なら直接伝えたいところだが(DMかリプ欄でと言われたが)、かなり細かいので、この日記をその代用とすることにした。まあ、ここは辺境日記で登録読者もゼロであり、DMレベルに近いと思うので、ご容赦願いたい。

目次は以下の通り。

  • まえがき
  • 第1章 ぶっちゃけ、変異株って、どうなっているの???
  • 第2章 ざっくりした話
  • 第3章 そこそこ詳しい話
  • 第4章 具体的な対策とか教えてよ!
  • あとがき

グラフや画像なども多用されており、かなり読みやすかったが、レビューにも書いた通り第3章でハードルが一気に上がった感じがした。第2章まではニュースやネットの情報を丁寧に収集していれば頷ける内容だが、第3章で聞いたことのないような専門用語が一気に登場する。内容を軽くするために、敢えてそれらの詳細説明を割愛している部分も多く、そのことが却ってモヤモヤ感を残す結果となり、話が頭に入って来ないのである。まあ、同分野の学生ならピンとくるのであろうが、この書籍のターゲットは誰なのかがはっきりしない。まえがきに「できるだけ多くの人に手に取ってもらいたい」と書かれているので、専門的な基礎知識を持った人だけが対象ではないと思うのだが。

その辺をどう解消するか、全体的な章立ての調整や注釈の導入を検討すべきだと思う。あと、重箱の隅ではあるが、細かい点を以下に列挙してみる。最近、校閲に興味を持ちだした私のそういう視点での指摘であり、決して”イチャモン”ではないことをご了承願いたい。(なお、感心した点も混在している)

 

◎全体:「変異種」とせずあえて「変異株」としている点は評価
→変異種・変異株・変異型など様々な用語が飛び交っているので、その点の解説も欲しい

▲113/533付近:「以外に思われる」→「意外に思われる」

▲242/533付近:「他の年代に追随を許さない」→「他の年代の追随を許さない」

〇286/533付近:「鬼のスピード」=なかなか今風な表現で面白い

▲309/533付近:「100万にいれば」→「100万人いれば」

▲321/533付近:「変異体」→「変異株」(次のページで”変異株”と書いている)

▲333/533付近:②がダブっている→②③④と要リナンバリング

▲363/533付近:動物実験の解説部分がイマイチよく分からない。マウスとハムスターの関係が、この文章でははっきり捉えられない気がする。私の知識不足かも知れないが。
→書き出しは「また、一般的な動物実験ではマウスを使いますが、コロナウイルスの場合はハムスターを使います。なぜなら~」として欲しいのと、ACE2の構造違いの説明がうまく整理されておらず、元の文章では、マウスの方がいいのでは?と一般人は思ってしまうような気がした。

▲377/533付近:「走査型電子顕微鏡nと覚えたら良い」
→この記述は完全に経験者向けなので違和感があった(直しようがないけど)

〇446/533付近:「インシリコ」=初めて聞く言葉で勉強になった

〇458/533付近:「呼吸をしてみて、マスクが呼吸に合わせて上下するようでしたら大丈夫」=これは的を射た表現で”なるほど”と思った。ただし”上下”という表現は再考する必要があるように思った(うまい言い回しがなかなか見つからないが)

 

追記:

① 第4章の対策はかなり厳しいと思う。宮沢氏の「100分の1作戦」が妥当だと思うがいかがであろうか。

② 集団免疫に関してはどのように考えているのであろうか。

③ このウイルスはBSLはどのレベルで扱うべきなのであろうか。
 →感染症の分類はどのあたりが適当なのか。

④ ワクチンに対する”若手ウイルス研究者”としての考えも書いて欲しい。

 

以上。