suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

リモコン壊れた?壊した?

突然、TVのボリュームが勝手に絞られて音が聞こえなくなった。何が原因かと探ってみると、どうやらテーブルの上に置いてあったブルーレイのリモコンが暴走しているせいだと分かった。ボリュームが勝手に連続的に変化(大きくなったり小さくなったり)する現象だった。電池が少なくなったための動作不良かと考え、裏蓋を開けてみると、、、

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見事に液漏れしていたのである。今まで使用中に電池が液漏れした経験はなく、電池を入れたままの状態で長期間保管していた場合だけだっただけに、ちょっとショックを受けた。電池のブランドは一応MITSUBISHIで三流品ではない。とりあえず電池を取り出してみた。

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単三2本のうち1本が完全に液漏れ状態で悲惨な外見を呈していた。そう言えば電池には使用期限みたいな表示があったことを思い出し、確認してみることにした。

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なるほど、この2本の電池の”使用推奨期限”からすでに5か月が過ぎていたのである。リモコンの電池はレコーダーを購入してから1度交換したかどうかのレベルなので、確かに電池を使い始めたのはかなり前のはずで、しょうがないとは思うが、まさか電池が消耗する前に液漏れが発生するとは考えてもみなかった。まさに想定外の現象である。

とりあえず、電池ボックス内を軽くクリーニングして、新しい電池を入れてみることにした。家の中の在庫から、同一メーカーのものを取り出してみると、、、

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一応、使用推奨期限が3年後になっていた。いつもは気にしていなかったが、こうなってみると、3年というのは長いようで長くない気がする。3年間は電池交換しそうにないからだ。そしてまた同じ現象が起こる可能性は否定できない。まあ、メーカーは同じでも電池自体の個体差があるので何とも言えないが。ちなみに、液漏れしたのはMADE IN INDONESIAで、新しいのはMADE IN CHINAである。(他のも調べでみたがタイ製のもあったので、電池は結構いろんな地域で作っているようだ)

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ということで電池を交換してみたが、現象は変わらなかった。どうやら電池が直接的な原因ではなさそうだ。液漏れした”液”がリモコンの内部に入ってしまい、悪さをしているようである。分解するしかないのか、と思ったが、昔の機器とは違いネジが一切見当たらない。そこで、ネットで同様のことをしている記事があるはずだと思って検索してみると、やっぱり見つかった。

SONY BDレコーダーのリモコン修理

上記の内容を参考にしながら、苦労しながらも分解に成功した。

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使った道具は、自宅にあった時計修理用の金属のヘラのようなものとカッターだ。手順は上記の記事と同様で、まず上下プラスチック部品の接合部分をカッターの刃で削る感じで取っ掛かりをつけ、ヘラでこじ開けるという手順だ。

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結局、無理にこじ開けたのでプラスチックの一部を破損してしまったが、それ以外の損傷はない。中の基板を取り出して確認すると、確かに電池の”液”が浸みており、しかも基板の穴から部品面まで流れ込んでいるようにも見える。

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基板の両面に対し、手持ちのエタノールや電子部品専用クリーナーなどを使用して、クリーニングしてみたが、残念ながらリモコンの復活はならなかった。おそらく、分解の途中で基板を傷つけてしまったのかと思われるが、目視してもその箇所を発見できなかったので、原因不明という結論だ。

以下、余談。


せっかく分解したので、各パーツの裏も撮影しておいた。

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これらのパーツを見て気付いたのは主に2点。

① 基板上にある各ボタンの接点が基板内に埋め込まれている点
② 操作ボタンのゴムが多色なのに一体になっている点

上記①の説明は難しいが(拡大写真も撮ってないし)、自分の知っているこの手のリモコンとは異なったスイッチ構造だったので、かなり興味を惹いた。あとで調べねばなるまい。通常は、ゴム部品の裏側に、各押しボタンごとに導電パーツが接着されていて、基板側の切れ目に当たると導通する、という構造なので、ゴム部品側もそれなりにコストがかかっていると思うが、このリモコンではゴム部品は成型のみで、ゴム以外の部品は使われていない。ゴムの突起が基板上の銀色の謎の部品(追記参照)を押すだけである。

そしてさらに、そのゴム部品は複数のカラーゴムが一体になっているのである。リモコンの表面からみたら、カラフルなボタンがそれぞれ中に組み込まれているように見えるが、実際には1枚のゴムパーツなのである。

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これを見て思い出したのが、ガンプラのパーツである。1つのランナーに複数の色パーツが一体となって構成されているのである。多色成型と呼ばれている技術で実現しているそうだ。

同様の技術を用い、“ランナーから切り離すだけであちこち可動する”「ペラモデル」。ガンプラはハードルが高いという方は、こちらで体験してほしい(左)。多色成形の例はダブルゼータガンダム(c)創通・サンライズ・毎日放送

www.itmedia.co.jp

まあ、プラスチックとゴムでは素材が異なるので、まったく同じ製法ではないと思うが、世の中、いろいろ考える人がいるものである。


なお、リモコンはフリマで同一のもの(中古)を見つけ購入した。到着するまでは、TVのリモコンで代用している。こういう時に、メーカーを揃えておいたメリットを享受できる。もちろん、基本的な操作しかできない(※)が、短期間なら問題ないレベルだ。
※電源ON/OFF、チャプター操作、タイトル編集などが出来ない

以上。

 

追記。

謎の部品は下記の技術(ダイアフラムを用いたものに関する技術公報)を応用したものかも知れないが、実態は不明。

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https://astamuse.com/ja/patent/published/field/fi/H01H13/52+D

(今回の基板には40に相当するものはなく、全体に透明シートが貼られていた。また、そのせいで61の構造物もなく、30(可動接点)が基板に直接実装されている感じであった。)