ジョーズ2
スティーブン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」は、この手の作品の先駆けで、しかも同じジャンルに於いて、この作品を超えるものは今だに出ていない傑作である、と個人的に思う。
もちろん、その昔にDVDを買い、さらに最近ブルーレイ版に買い替えたりもして、何度も観ている。しかも、何度観ても面白い。(さすがに恐さは感じなくなったが)
そして先日、「ジョーズ2」がTV放映されるのを知って録画予約しておいた。そう言えば「ジョーズ2」って観たことあったかな、と自問自答する。「ジョーズ3」は観た覚えがあるが、”2”は記憶にない。映画などにおいて、続編が初作を超えるものはないと断言できるが(実際には一部例外はあるけど)、ジョーズもそうなのだろう。すくなくとも”3”はダメダメだったので、”2”にも期待できそうにない。果たして……
予感は当たった。確かに主人公に扮するロイ・シャイダーは相変わらずだったが、それ以外の登場人物やストーリーが普通過ぎてイマイチだった。第1作では、主人公を取り巻く人間関係がうまく物語に絡んでいて、最後まで飽きずに観られる。まあ、途中の太平洋戦争絡みの会話は、日本人にとっては余分ではあるものの、全体的に”静”と”動”の繰り返しが絶妙で面白い。それに対して、”2”は盛り上がりに欠け、しかも登場人物も若者が中心で、演技がワンパターンなのだ。特に複数回出てくる若い女性の恐がり方は、ステレオタイプ的でその過剰な演技には目を背けたくなる。薄っぺらいのだ。
ということで、残念感のある映画だったが、よくよく調べてみると、監督はスピルバーグではなく、別人だった。第1作のネームバリューを借りた似非ジョーズだったのだ。それは、”3”にも引き継がれ、どんどん駄作になっていったわけである。
ちなみにYahoo!映画の現時点での評価は下記の通り。
▶ジョーズ1(1975年)・・・4.19
▶ジョーズ2(1978年)・・・3.18
▶ジョーズ3(1983年)・・・1.75
言わずもがなである。
さて、作品としては平凡で観ていても集中できなかったので、いつもの癖で小物(小道具)に目がいってしまった。あまり多くないが列挙してみることに。
最初にタイトルの比較。ロゴはそのまま踏襲している。”2”を大きくしている分、JAWSの文字は小さめ。まあ、どうでもいいネタではあるが。
最初に鮫に襲われるダイバーが持っていた水中カメラはかなりでかい。おそらく既存のフィルム式の一眼レフカメラを、防水ケース(ハウジング)に入れたものだろう。今ではGoProなどの小型デジカメを使用すればかなりコンパクトになる世界だ。
ロイ・シャイダー扮するブロディ署長が使っている大きなトランシーバーは、アメリカなどの現地では、ウォーキートーキーと呼ばれていたと思う。かなり大きいのは、軍用からの転用のデザインであると同時に、アナログ式でバッテリーがでかいせいだろう。かなり遠くとの会話が出来そうだ。SONYも昔、大型のトランシーバー(ICB1000W等)を出していたようだ。
あと、地味に登場していたのがラジカセ。数秒間しか映らないが、別の機種が2回出てくる。メーカーや機種は不明だ。
また、時代物のレジスターも登場する。今では骨董品だろう。日本では稼働している店は希少で、今まで1回だけ見たことがある。(同じ機種ではないが)
以上、この手のネタ元としても弱いジョーズ2であった。