suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

SARS-CoV-2の現状と将来

SARS-CoV-2、日本では新型コロナウイルスと呼ばれているが、なぜか日本では”パンデミック”という雰囲気はあまり感じられない。確かに季節性のインフルエンザ並には罹患者や死者を出してはいるが、他国、特にアメリカのような重篤な状況にはなっていないように見える。

しかしながら、最近では”第2波”が来ており、”第1波”より大きな波になっているので、今後大変なことになると言われている。ただ、実際のデータを見てみると、陽性者数と重症者数のそれぞれのピーク値を比較した場合、第1波は陽性者約700人に対して重症者はほぼ半分の約350人に対し、第2波では約1600人に対して100人程度に収まっている。もちろん、陽性者数のピークタイミングと重症者のピークタイミングは、症状の重症化する平均日数分だけずれているので、現時点で単純比較は出来ない。

第1波の陽性者ピークは4月10日ごろで重症者のピークは4月30日ごろなので、その日数差は20日程度だ。それに対して、第2波のように見える陽性者グラフのピークを、仮に7月30日とした場合、その20日後である8月20日にどうなっているかが問題なのだが、グラフの上昇具合を見る限り、第1波のような重症者数割合にはならないように思われるのである。

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2020/8/4時点(東洋経済ONLINEより)

ここからは想像の世界であるが、例えば重症者が8月20日時点で多めに見積もった値の200人としても、陽性者数の8分の1程度である。第1波の4分の1ほどの波の”強さ”でしかない。さらにこれは重症者数を多めに見積もった場合であり、実際にはもう少し”弱く”なるようにも思われる。

ある専門家の話では、この波は何回か繰り返されるが徐々に小さくなって、最後には収束するということなので、その話を信じるなら”重症化”という視点では、今後あまり心配する必要はないことになる。もしかしたら、検査数を増やせば陽性者数も増えることになるが、病気としての重篤さは第1波の時がMAXであったと言えるのである。

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日経バイオテク「新型コロナの収束シナリオとその後の世界」より

さらに、第1波が第2波より山が小さいのは、もしかしたらその時の検査体制が出来ておらず、かなり絞って検査したからだという推測も成り立つ。そう考えると”実際には第1波はもっと大きかった”とも考えられ()、上記のシナリオの波の図は合っている可能性がある。重症者数から逆算すれば、第1波の陽性者数のピークは少なくとも2800人になる計算である。つまり、第2波の陽性者数は、第1波のそれより少ないか同等だという推測もあり得る。

※そもそもマスコミの大半は「検査陽性判明者数」のことを「感染者数」と表現しているが、その両者は意味が異なる。前者の場合、検査のしかたや精度によって左右される数字なので、恣意的にコントロールすることも可能。

結論としては、今の状況のまま推移するならば、そんなに深刻な状況にはならないのではないかと思うし、この推測が当たって欲しいと願っている。実際、下記の2つの記事を読むと、私の”楽観論”が正しく思えるような内容で興味深いが、今後の日本の状況を注視する必要はある。もちろん、これは日本に限った話で、世界の状況はまだまだ予断を許さないのは確かだろうけど。

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