suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#16「絶たれた音」

原題:The Most Dangerous Match(直訳:最も危険な試合)

日本語版:1974年 NHK総合

 
【今回の小ネタ】
 
コロンボの登場後に殺人が起こる
被害者がコロンボの登場後に実際に殺されてしまうという、全エピソードの中でも他にはない悲しいエピソード。「溶ける糸」では阻止できたのに、なぜコロンボは犯人の実行を阻止できなかったのか、悔やまれるストーリーだ。
 
☆取り替える~なら
珍しく幌をはずした状態のコロンボの愛車に同乗したクレイトンが、車中で「今朝、補聴器のトランジスタを取り換えに行ったしね。昨夜壊れたんでね」と言っている。
"I stopped to pick up a new transistor for my hearing aid, it went out on me last night." 
常識的に考えると、取り替えるのはトランジスタではなく電池だと思う。壊れたなら本体ごと取り替えるはずだし。何か特殊な補聴器でトランジスタを交換できる仕様なのか。この頃のTVは真空管タイプも存在しているはずで、真空管の取り換えなら理解できる話だが。(その後のシーンでは「修理」と言っているが……)
 
エスカルゴって……
被害者が(犯人の前で)エスカルゴを食べるシーンがあるが、どう見ても美味しそうには見えない(専用の器具を使っているのは興味深いが)。とは言いつつ、先日、サイゼリヤエスカルゴのオーブン焼きを食べた。もちろんガーリック風味が効いていて、相変わらずワインに合う美味しさだった。

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エスカルゴ(下はサイゼリヤ

☆エノコログザ

今回もコロンボの愛犬が登場するが相変わらず動きが鈍い。というか、エノコログサが体に付いて医者にかかったらしい。それで思い出したのが、コロンボ関係のイラストを描いているえのころ工房。もしかしたら、このエピソードが元ネタなのか?

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☆チェス&チェッカー

日本では将棋が静かなブームだが、このエピソードではチェスが扱われている。2つのゲームの大きな違いは、取った駒の扱いだ。将棋のほうは自分の駒として使えるが、チェスでは使えずそのまま放置だ。まあ、チェスの駒は白黒に分かれており、外観的にも再利用は不可能だなのだが、洋の東西における考え方の違いが垣間見え、その辺が興味深い。なお、チェスのおまけ的な扱いのチェッカーは、一見地味だが面白いゲームで、コロンボも獣医と遊んでいる。

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チェスの多面打ち

テーブルゲームで一人の強い人が、その人より弱い複数人を相手に、同時に試合をする形式を「多面打ち」と呼ぶが、今回のエピソードでは犯人が(おそらく)10人を相手に行っている。

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多面打ち

多面打ちで思い出すのが、漫画(アニメ)の『ヒカルの碁』である。主人公のヒカルやそのライバルである塔矢が複数人を相手に囲碁を打つシーンがあるが、心理など細かく描かれておりドキドキするシーンの一つである。なお、『ヒカルの碁』は、アニメにおけるマイベスト3に入っている大好きな作品だ。

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ヒカルにとって最初の多面打ち。2回目もある。

☆今回の目立った小道具

今回のエピソードで注目した小道具が「対局時計」。チェスや将棋・囲碁などの時間制限付きで2人対戦する場合に使われる専用の時計(正確にはタイマー)だ。あらかじめ双方の制限時間をセットしておき、自分の手を打ったら自分側のボタンを押すと針が止まり、相手の時間が減っていく仕組み。コロンボの時代ではアナログだったが、現代ではデジタルが主流である。基本的にはプレイヤーが自分で操作するが、将棋や囲碁のプロの対戦では、同席する人間(記録係)が代わりに操作することもある。

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 ☆補聴器姿のチェス・プレイヤー

何かデジャブっぽいと思ったら、チェスのプレイヤーが補聴器(のようなもの)を着けて対戦するシーンは、1968年の米国TVドラマ『スパイ大作戦』のシーズン2、第17話「悲しきチェックメイト」(原題:A Game of Chess)にも登場する。

 

詳細は別途まとめる予定

 

以上。