suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

刑事コロンボ#9「パイルD-3の壁」

原題:Blueprint for Murder(直訳:殺人の青写真
日本語版:1973年 NHK総合

 
【今回の小ネタ】
 
☆タイトルの”青写真”の意味
Wikipediaによると下記のような意味である。

青写真(あおじゃしん、英: cyanotype)は、鉄塩の化学反応を利用した写真・複写技法で、光の明暗が青色の濃淡として写るためこう呼ばれる。工学史上、機械図面や建築図面の複写(青図、blueprint)に多用されたため、「設計図面」の意味で使用されるようになり、また、これから転じて、将来の計画などを指して「人生の青写真」あるいは「組織改革の青写真」などと言うこともある。

 今回のタイトルは意訳すれば『殺人設計図』とも言える。昭和な人間は”青写真”からは”青焼き”を連想する。青焼きは青写真に代わって使用された一種のコピー機で、正式にはジアゾ複写機と呼ばれる。社会人になった頃は、先輩に「これ青焼きしておいて」とコピーを頼まれたものだ。

 

☆ピーターフォークが監督したシリーズ唯一のエピソード 
この話は有名らしい。しかも聞くところではかなり強引に監督になったようだ。何か思うところがあったのだろうか。

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"Directed by PETER FALK"、この一瞬が見たくて?

☆特別デザインのゴールド・キャデラック

最初に登場した被害者の車には、両側のドアハンドルにシルバーのけん銃が装飾として付けられているが、次のシーン、建設現場に入っていく車にはそのけん銃が付いていない。そしてまた次のシーンでは復活している。重箱の隅だが……

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シーンの順は、右上→左上→左下→右下

☆犯人の動機について

・資金は出さないと言われる
・ペテン師となじられる
・頬を平手打ちされる
・都市計画模型を壊される

これだけ揃っていれば、さすがに殺人の動機としては十分かも知れない。金だけではなくプライドもズタズタにされたわけだし、自分でも考えてしまう。
 
☆殺人のシーンがない
今回は、殺人のシーンが画面に出てこない非常に数少ないエピソードの1つ。
 

メルセデスコンバーチブル再登場

犯人が運転する青いメルセデスコンバーチブルは、『構想の死角』に登場した車と同一でナンバーも同じ。しかも、死体を車のトランクに入れて運ぶのも同じ。この車には2回”死体”が乗ったことになる。アーメン。

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上が「構想の死角」でのシーン、下が今回のシーン
コロンボのコートのポケットは4次元?
初めて見たレーズンの箱をポケットから出すコロンボ。ゆで卵は時々見るが、レーズンも好きだったとは。確かに、新シリーズではレーズン(が乗った食パン)が2回登場するが、その伏線だったのか。しかも、その後にキャンディまで出してくる始末。コロンボのコートのポケットはドラえもん並み?

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まるでマジシャン?

☆カレンダーが古い?

役所の安全局に掛かっているかレーダーは1966年12月のものに見える。DVDでは画像がつぶれていて分からなかったが、4Kリマスター版では判別可能になった。このネタ自体にはあまり意味がないが、リマスターの価値は色々とありそう。

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1966年らしいカレンダー。このエピソードは1972年制作。

☆小道具の使いまわし?
オートバイの警官が犯人の車に寄って、免許証を確認するシーンがあるが、そこにはコロンボの写真がついている。このチェックもリマスター版でないと苦しい。

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おそらく4Kならもっと鮮明だろう

以上。