ここまでグローバルな世界になると、海外の情報も重要になってくる。専門家によって日本語に翻訳されて記事になる情報も多いが、よりリアルな情報は自分で知りたくなることも多い。その時に活用できるのが機械翻訳。
以前から専用のソフトはあったが、使いづらかったり翻訳の精度がいまいちだったりした。近年ではGoogle翻訳が目立ってきており、ブラウザーなどで標準的に使用できるようになってきて、かなり便利だ。
ところが、Google翻訳を使っていても、かなりの頻度でオヤ?という珍翻訳をすることがある。やっぱり機械翻訳の限界なんだろうか?と思って、半ばあきらめていた。
ところが最近『DeepL』というドイツの企業が開発した機械翻訳を知り、試しに使用してみたところ、かなりの精度で翻訳してくれることが分かった。Google翻訳以上に英語を自然な日本語に訳してくれるのだ。他の組み合わせは試していないが、とにかく目的は達成できる。
試しに、刑事コロンボの次回放映のエピソード『ホリスター将軍のコレクション』(原題:Dead Weight) の概要文(StoryLine)を、英語サイトのIMDbより抜粋して、2つの機械翻訳の実力を比較してみた。
Storyline
While on a sailing-boat, Helen Stewart witnesses far-away, inside a room, a man with a gun killing another. She notifies the fact to the Police and Lt. Columbo begins to investigate. The man is the famous General Martin Hollister, a war hero. Lt. Columbo searches his house and afterwards he is very doubtful about Helen's statement.
【Google翻訳】
ストーリーライン
セーリングボートに乗っているとき、ヘレンスチュワートは部屋の中で、銃を持った男が別の部屋を殺しているところを目撃しています。 彼女は警察にその事実を通知し、コロンボ中尉は調査を開始します。 その男は戦争の英雄である有名なマーティン・ホリスター将軍です。 コロンボ中尉は彼の家を捜索し、その後ヘレンの発言について非常に疑わしい。
【DeepL翻訳】
ストーリー
帆船に乗っていたヘレン・スチュワートは、遠く離れた部屋の中で、銃を持った男が別の男を殺しているのを目撃する。彼女はその事実を警察に通報し、コロンボ中尉は捜査を開始する。その男は、戦争の英雄として有名なマーティン・ホリスター将軍だった。コロンボ中尉は彼の家を捜索し、その後、ヘレンの供述に強く疑問を抱く。
上記の例ではどう見てもDeepLの勝ちである。まあ、色んな文章での比較をしてみないと結論は出せないが、Google翻訳にはもっと頑張ってほしい。なお、DeepLにも弱点があって、それは対応言語がGoogleに比べて少ないということだ。少ないといっても主な言語の10以上に対応しているので実用上は問題なさそう。なお、2020年4月現在では中国語はサポートしているが、韓国語には非対応となっている。
で、コロンボに限定して着目すると、” Lt. Columbo”は双方とも”コロンボ中尉”になってしまっている。これは致し方ないことなんだろうか。日本人のファンとしては”コロンボ警部”になって欲しいところだが。
ちなみに、コロンボが所属するロサンゼルス警察の階級は下記の通り。
上記の表を見る限り、実はコロンボは警部補なのだ。
『コロンボ警部補』
う~~ん、違和感ありすぎ。これじゃあ『警部補 古畑任三郎』を思い出してしまうではないか。ていうか、古畑任三郎自体がコロンボをリスペクトして企画されたといわれており、本来ならコロンボも「警部補」が正しいのかも知れない。
そのあたりの経緯は謎である。