suna8’s blog

還暦を過ぎたジジーの気まぐれ日記

激安ワインの品評会

品評会というかレビュー。商品の選定は「安いこと」そして「ペットボトルに入っていること」である。まあ、ペットボトルに入っている時点で安いことは確かではあるが。

近所に中規模の酒屋があって、ワインもそれなりに置いてある。その商品群のなかから、上記の条件のワインを選ぶと、3銘柄になった。ワインには赤と白などがあるが、今回は白で揃えてみた。

実は、以前にも同条件の赤ワインを飲んだことがあり、しかもそれが異様にマズかったので、やっぱり激安ワインはダメなのかな、って思ったが、たまたまだったかも知れないので、今回はその検証のために複数の銘柄を選定した。

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ペットボトル入り激安ワイン

(写真左から)

メルシャン ビストロ ペットボトル「白」
メルシャン ラデラ・ヴェルデ ホワイト
サントリー カルロ ロッシ ホワイト

価格は600円未満のものばかりである。結論から言えば、ちゃんと冷やして飲む分には大きな風味の差異はなく、マズくはなかった。ただし①は風味が少なく、アルコール分も他より低めなので、軽い味わいだった。いや、軽すぎると言ったほうがよい。②と③は、価格なりの飲みごたえで、ワインに特別のこだわりがなければ、十分にワインを味わえる感じだった。

家飲みなら②か③がおススメ。①は料理用に近い。

 

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各ワインの裏ラベル

さて、ここで多少の勉強が必要である。下記の2つの点だ。

1.ペットボトルとワインについて

どのボトルにも「特殊(特別)なコーティングを施したペットボトル」だとの記述がある。逆に言えば、何も処理していないペットボトルにはワインは入れられないということになる。日経電子版の記事によると、

ペットボトルは気密性に欠ける容器だ。特に酸素を通してしまうので、酸化に弱い飲料を入れるのに向いていないという問題がある。

ということで「へぇ~」である。さらに、

香りの強いものの隣にミネラルウォーターを置いておくと、香りがついてしまうということもある。これも全て、ペットボトルのガスバリア性やフレーバーバリア性が低いからに他ならない。

と書かれており、日常的に扱っている物でも知らない事実があることが分かる。そして、

ペットボトルの内側にコーティングをすることで、瓶と同等の酸素バリア性を実現したという。従来のペットボトルとは比べものにならないほど、保存性が優れている。(中略)このペットボトルで未開封ならば酸化はほとんど気にしないでもいい。これならば、香りが損なわれることもなくワインを楽しめる。

ということで納得である。未開封で何年も保存するようなワインではないので、製造から消費までの日数を保証できればいいことになる。

2.混ぜ物のワイン?

実は②と③は、海外で作られたワインを輸入して日本でボトリングしているが、①はそうではないようだ。それは裏ラベルの原材料名を見ると分かる。

原材料名:濃縮還元ぶどう果汁(外国産)、輸入ワイン

そして枠外にその説明が書かれている。

メルシャンが格国から選び抜いたブドウ果汁を国内で醸造し、輸入ワインとブレンドすることで、日本人の味覚に合う高品質な味わいをお届けしています

要は「ごちゃまぜワイン」だと言うこと、そして日本人はワインの本当の味を知らないんじゃないかと思われていること、が分かる。まあ、商品名などに「ワイン」という表記がないのは確信犯なんだろうと思う。(裏ラベルにワインという単語が何回か出てくるが、商品とは直接関係のない記述となっている)

では、偽物ワインかと言えば、そうでもないらしい。ChuoOnlineの記事によると、

日本は諸外国に例をみないワイン特殊国である。日本で造られているワインの9割は輸入濃縮果汁(ジュースの原料と同じもの)に水を添加して造られている。しかし、世界の多くの国ではワインを造る際に水を使うことは禁止されている。葡萄には酵母が付着しているので葡萄があれば普通はワインを造ることができるし、葡萄に含まれる糖分を酵母が食べてアルコールと二酸化炭素に分解するため、糖分や酵母を加えなくても葡萄の糖分がアルコールに変化する。

とのことで、やっぱり、という感じだ。ワインでなくても日本人は”まがい物”を作るのが得意で、例えば醤油でも本物は少ない。少なくともペットボトルに入っている安価な醤油はマジメに作ってはいない。ワイン、お前もか。

日本にはワイン法はなく、酒税法食品衛生法で管理されている。酒税法ではワインは果実酒に分類される。マンゴーやリンゴを入れたものもワインと呼べるし、干しブドウや濃縮果汁から作った醸造酒であってもワインと呼んでもよい。法律上の酒(酒類)とはアルコール分1%以上の飲み物(飲料)のことを指すことため、アルコール度数についても諸外国のワインと異なることが多い。

つまり、日本の関連法律が古いままアップデートされていない点が問題のようだ。

免許を含めた酒類全般に関する監督官庁国税庁であり、国税庁の関心は酒税にある。残念ながら、ワインの醸造方法や添加物の是非等は問われない。

国は税金さえ取れれば、中身の定義なんてどうでもいいらしい。ということで、どうせ飲むなら、ちゃんと作られたワインを選びたい。